心理療法とカウンセリングの違い

心理療法とカウンセリングの違いとは何でしょうか。カウンセリングが、医療機関、職場、書籍などで話題として触れられ、日常的なものとして、ある程度の市民権を獲得しているような昨今ですが、「心理療法」という言い方になると、あまりなじみのないものになることが多いようです。カウンセリングも、多様なテーマを取り扱っており、いわゆる精神科などで行われるカウンセリングのほか、キャリアカウンセリング、恋愛カウンセリング、産業カウンセリング、法律カウンセリングなど枚挙にいとまがありません。共通点から考えると、カウンセリングというものは、二人以上の人が、何らかの困りごとを解消に向けて話し合う作業であると思います。では、心理療法というものは何かというと、精神科、心療内科などで「カウンセリング」と言われているものの多くは、そのまま「心理療法」と言って差し支えないと私は考えています。つまり、不安や悩みを聞き、精神疾患などの医療的ニーズにも合う、治療的なカウンセリングを指すことになります。

カウンセリングの技法にもいろいろあり、どのカウンセリングを受けるかどうかも悩むポイントになります。

心理療法そのものも様々な技法をひとくくりにしたものです。認知行動療法、精神分析的心理療法、来談者中心療法、ゲシュタルト療法、対人関係療法、機能分析心理療法、マインドフルネス認知療法、セルフコンパッション認知行動療法など、日々多様化、細分化しており、それぞれが発展の歴史を持っています。ここでは1つ1つの技法についての説明は避けたいと思います。ただ、こういった多様性の背景には、技法の基になった理論も多様であり、それは理論を考えた人の注目する心の動き、仕組みが異なるためであり、それゆえどの技法も完璧ではないということを付け加えたいと思います。

こうなると、もし医療機関にてカウンセリングを勧められたとき、あるいは自分でカウンセリングを受けようと思ったとき、どの技法を選択すれば良いのかという疑問が出てくるのはごく自然なことだと思います。この点については、別の記事に綴りたいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました